森友学園問題――財務省が書き換えた資料の中身

　Twitterですごく雑な要約が流れてきたのでむしゃくしゃしてやった。
この文書も雑な要約であるが適当に補完的役割を果たせれば幸いである。

　意見は別記事とし、とりあえず（主観的取捨選択は入りながらも）内容をまとめることを主眼としたい。

　ソースはNHK（「森友」文書 書き換え 財務省の調査結果 全文書掲載｜NHK NEWS WEB）による。

01.貸付決議書1

　まず書き換えがあろうがなかろうが変わらない部分として、

「大阪航空局がH25/4/30に処分依頼を出した」
「6/28に学園理事長が手続き聞きに来た」
「すぐには買えないので借りて8年後の購入でいいかと聞かれた」
「急ぎじゃないし公共的な話のでよかろうということになった」
「財務局で処理可能な3年を超えるし3年だとうまくないので理財局案件になった」
「学園側がちゃぶ台ひっくり返してこれないように契約内容を理財局と考えた」
「大阪府は認可しそう」
「土壌汚染と埋設物はあるけど学園に説明済」
「除去したらその費用は検証の上支払う必要がある」
「その後にボーリングを学園がして地盤軟弱と言ってきた」
「工事費は出さないけど本当に軟弱ならその分金額を引くことは必要だろう」

ぐらい。

　そして書き換え前の文書で出てきたものは、

「土地履歴調査報告書も土壌汚染とか埋設物の報告書と一緒に渡した」
「大阪府といろいろやりとりしてる記録」
「学園に資料出せと言ったら逆に頼み事された」
ぐらい。特例的対応してるのなんて書き換え後の文書でも分かるのでいいよね。

02.貸付決議書2

　書き換え後の文書にはまとまらなかったのでこう作り直します、と書かれている。

　書き換え前の文書には具体的に「手数料を折半せよ」「違約金の額を減額せよ」などとごねている様子が書かれている。

03.売払決議書

　共通部分。

「学園側が早めに買いたいと言ってきたので売ります」
「交付した資料からは想像できないほどゴミが出てきました」
「不動産鑑定士の評価を受けて価格決めました」
「学校法人相手なので延納できるしします」
「今後の損害賠償は行わない特約つけます」

ぐらい。書き換え後にだけ年表式のざっくりした経緯がついている。

　一方の書き換え前は、まず01に書かれたような貸付までの経緯が文章で書かれている。内容は大方書き換え後の01にある範囲のもので、特に書き換え前にしかない範囲のものはないと思える。

　次に売り払いの経緯であるが、

「弁護士から小学校開校できないから即撤去せよと（航空局が）言われた」
「予算もないし無理だった」
「損害賠償請求してもいいんだけど納得いく値段でさっさと売ってくれるならしないよと言われた」
「損害賠償も小学校建設中止による問題も嫌なので受け入れることにした」

というような内容である。

　価格決定については、

書き換え後「相手が撤去費用見積困難だから価格提示」に対し
書き換え前「定期借地中の相手なので通知で済ませられる」となっていた。

　細かいところ。なぜか不動産鑑定士への発注の日付がずれている。

04.特例承認の決裁文書1

　01によれば理財局と相談の上考え出された契約内容だけど、だからといって承認手続きはちゃんと踏まないといけないよね、という文書。なので共通部分には書くことがない。01でもはしょってますけど。

　書き換え前。01の書き換え前部分とダブりつつ、新しい情報としては

「鴻池議員からの陳情案件」というのが一番上に。
「鴻池議員秘書から買う前に貸付けを希望と照会」と、ここからは経緯欄。
「打ち合わせのなかで学園側が『明恵夫人からお言葉をいただいた』と発言した」（というこの話、01の「学園に資料出せと言ったら逆に頼み事された」のところに併記されている）
「産経の記事になって、明恵夫人についても記載あった」
「北川国土交通副大臣に学園から面会申込があって国交省は無駄だと返事」
「平沼議員秘書から財務省に高いと相談があって説明した」

ここまで。

05.特例承認の決裁文書2

　共通部分については04に国有財産近畿地方審議会からの処理適当の答申が加わったのに加え、森友学園の概要（運営事業、教育方針）が入っている。

　書き換え前については、04以降にあった話として

「学園側、記者会見やって国有地借りる予定です、と言った」
「鳩山邦夫議員秘書からも財務省に高いと相談があって説明した」
「概算額伝えてあったのに学園側が相当低い額の提示に走ってきた」

と、あとは01で触れられているボーリング周りの話。

　そして森友学園の概要部分に

「理事長紹介：日本会議・大阪とかいろいろ関わってます」
「日本会議・大阪の設立経緯」
「国会には日本会議国会議員懇談会があることの説明」
「議員たちが講演したり視察したりしている情報」と並び、最後に
「関連する幼稚園情報」が載る。

06.承諾書の提出について

　書き換え後は「答申を得ることを条件に承諾する」。

　書き換え前は「答申はまだだけど事前相談・協議は承諾する」。

後は繰り返しも多く情報はあまり増えないのだけど、

11.有益費支払いに関する三者合意書の締結について

　これはちょっと毛色が違うので書いておこう。共通部分から。

「学園がお金出して工事しました」
「埋設物は校舎部分地下3m、運動場部分地下1mまで大型中型のものを除去しました」
「大阪航空局はOKと言っているのでうちとしてもOK」
「深く掘ったら新しくゴミが出てきて、解決に時間かかりそう」

　書き換え前特有の部分は

「大型中型のものは除去したけど細かいやつ、ガラス片とか残ってるのどうしよう」

こんなところで。